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恋花火
第49章 ALONE
陸先輩の顔をちゃんと見るのも


声を聞くのも久しぶりだった。


部室で話した以来だから


1ヶ月以上ぶり。


「……元気?」


そう話しかけてきた陸先輩は、私のよく知る優しい微笑みで、穏やかな口調で。


……陸先輩は少し、痩せて


またかっこよくなった気がする。


いつのまにか美波とレンがいなくなっていて、二人きり。


「盗み聞きしてました、ごめん。」


そう謝られた。


「謝らないでください。本当に謝らなきゃいけないのは私ですから……」


そんな私に陸先輩は、「もうごめんはなしね。」と言った。


「で、ですよね……」


付き合っている時から、"ごめん"は嫌だと陸先輩はよく言っていた。


ビビるじゃんって、笑いながら場を和ませてくれる陸先輩のことを、よく覚えている。


……でも、謝る以外の話題が見つからない。


とりあえず年も明けたし新年のご挨拶?


おめでとう……って?


え、それってなんか空気読めよ的な感じじゃない?


寒いですねー、とか?天気の話に持ち込む?


は?わけわかんねぇなんでいきなり天気の話だよババァかおまえは


……うん。タケルなら絶対こう返してくる。


なしなし、天気の話はなし。


どうしよ。えーとえーと


「ぶはっ」

「え?」

「うはは〜っ」


いきなり陸先輩がおなかを抱えて笑い出した。


「ちょ、陸先輩、えー」


曲がりなりにも授業ふけてる最中にこの大爆笑。


「笑かすなおまえ」

「いだっ」


初めて陸先輩にデコピンされた。笑


「…落ち着きましたか…?」

「おかげさまで。」


まだククッと笑ってる…笑いすぎだよー


「……相変わらず、可愛いな。」


突然のそんな言葉に驚きつつ、まだ少しだけ笑ってる陸先輩の横顔を見つめた。


陸先輩こそ


相変わらずかっこよくて、優しくて


笑い方、可愛いですよ。





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