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恋花火
第51章 友情と愛情

「美味しい?陸。」
郁さんは、もう陸先輩のことしか見えていない。
私のことを完全に忘れている。
陸先輩は時折話すものの、笑顔は一切見せない。それも郁さんにだけ見せないという。笑
あんまり陸先輩の怒ったところは見たことがない。
部活でみんなを引き締める時は厳しいけど
それ以外では…
…あ。
"なんでだよ!"
…タケルとのことを話した時は
初めて怒ったっけ……
怒ったというか、あんなに感情を出した陸先輩を見たのはあの時しか見たことがない。
いつも優しくて、穏やかで
なんでもお見通しの陸先輩。
かっこいいのに気取ってなくて
そんな素敵な陸先輩よりも
私はなんでタケルがいいんだろう。
どうしてもタケルじゃなきゃヤダ!って、駄々をこねてるだけなのかな……
小さな子どもが、大好きだったぬいぐるみを失くしてしまって
探しても探しても同じものはなくて
あれじゃなきゃヤダ!って駄々をこねる
それと一緒なのかな……
「菜月」
いきなりの菜月呼びに驚く。
顔をあげると、郁さんが私を見ていた。
「……ふっ」
「……?」
「あいつだと思った?」
やっぱり郁さんは、意地悪だ。
「菜月ちゃん!」
堪らずにラーメン屋を出て歩いていると、陸先輩が追いかけてきた。
「ごめん!」
「なんで陸先輩が謝るんですか……」
「いや、だって!泣いてるから無意識に謝っちゃった、ごめん……あっ!またごめんって!」
なんだか一人で盛り上がってる陸先輩。
それを見ていたら、少し気が緩んだ。
「郁はほんと一言多いんだよ。気にしないで…といっても気にするよね」
陸先輩も、美波もレンも
あれから一度もタケルの名前は出さない。
随分気を使わせてしまっている。
今日は久しぶりにタケルのことを言われて
少し驚いただけ
ただ、それだけ。
けれど頭の中は常にタケルでいっぱい。
いつ会えるの?
本当に高校辞めちゃうの?
……また、会える日は来るの……?
日を増すごとに大きくなる不安
大きくなる気持ち
それがいつか大きくなりすぎて、壊れちゃいそうで
すごく怖い。
郁さんは、もう陸先輩のことしか見えていない。
私のことを完全に忘れている。
陸先輩は時折話すものの、笑顔は一切見せない。それも郁さんにだけ見せないという。笑
あんまり陸先輩の怒ったところは見たことがない。
部活でみんなを引き締める時は厳しいけど
それ以外では…
…あ。
"なんでだよ!"
…タケルとのことを話した時は
初めて怒ったっけ……
怒ったというか、あんなに感情を出した陸先輩を見たのはあの時しか見たことがない。
いつも優しくて、穏やかで
なんでもお見通しの陸先輩。
かっこいいのに気取ってなくて
そんな素敵な陸先輩よりも
私はなんでタケルがいいんだろう。
どうしてもタケルじゃなきゃヤダ!って、駄々をこねてるだけなのかな……
小さな子どもが、大好きだったぬいぐるみを失くしてしまって
探しても探しても同じものはなくて
あれじゃなきゃヤダ!って駄々をこねる
それと一緒なのかな……
「菜月」
いきなりの菜月呼びに驚く。
顔をあげると、郁さんが私を見ていた。
「……ふっ」
「……?」
「あいつだと思った?」
やっぱり郁さんは、意地悪だ。
「菜月ちゃん!」
堪らずにラーメン屋を出て歩いていると、陸先輩が追いかけてきた。
「ごめん!」
「なんで陸先輩が謝るんですか……」
「いや、だって!泣いてるから無意識に謝っちゃった、ごめん……あっ!またごめんって!」
なんだか一人で盛り上がってる陸先輩。
それを見ていたら、少し気が緩んだ。
「郁はほんと一言多いんだよ。気にしないで…といっても気にするよね」
陸先輩も、美波もレンも
あれから一度もタケルの名前は出さない。
随分気を使わせてしまっている。
今日は久しぶりにタケルのことを言われて
少し驚いただけ
ただ、それだけ。
けれど頭の中は常にタケルでいっぱい。
いつ会えるの?
本当に高校辞めちゃうの?
……また、会える日は来るの……?
日を増すごとに大きくなる不安
大きくなる気持ち
それがいつか大きくなりすぎて、壊れちゃいそうで
すごく怖い。

