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恋花火
第53章 Destiny
「菜月と一緒に暮らせ。」


そのお願い事には、私もビックリだ。


「どういうこと!?」

「しばらく家には帰れないだろうし。菜月が心配だ。」


確かに、私には頼れる大人はいない。


親戚もいないし。


「頼む、タケル。」


だけどタケルはもう東京だし


それは絶対無理な話。


そう思っていたのに、タケルは「了解。」って、軽く返事をした。


おじいちゃんが危機を脱したということで、私たちは帰されることに。


「行こう。」

「え、どこに。」

「ボケてんの?家に帰ろうつってんの。」


まだ頭がついていかない私の手を引いて


タケルは歩き出した。


「家に俺のもの全部あるんだろ。」

「ありますけども……」


タケルは本当にうちに帰って来た。


おじいちゃんの入院の荷物を支度して


とりあえずやろうと思っていた湯豆腐を食べて


お風呂に入って……


「おやすみ〜」

「ちょっと待ってタケル!」


あまりにも普通のタケルにちょっと待ったをかける。


「えっと…なぜ君はここにいるのかな?」

「ここ、今日から俺んち。」

「違くて!東京に住むんじゃなかったの!?」

「あー、それね。そう思ったけど……やめた。」

「なんで!?」

「話長くなるけど。」

「聞かせて。」

「んじゃこっち来て。」


ちょこちょことタケルに近づくと、そっと抱き寄せられた。


「……実は、足の病院に行ってたんだよね。」

「え!?」

「予選の準決勝のとき痛めたやつ。あれからずっと痛くて。地元の病院だと治せないって言われて…東京のでけぇ病院で治してもらおうって思ってた。」

「そうだったんだ……」

「でも、もう脚は治らないのは感覚でわかってたんだ。だから俺、菜月と離れたいって、離れなきゃって思った。」

「は?なんでそうなんの?」

「おまえの夢、叶えてあげらんないって思ったし。」

「私の夢ってなに!?なんだっけ!?」

「……小学校の卒業文集見ろ。」


私は飛び起きて、小学校のアルバムをバババッと捲った。


そこには


松下菜月 将来の夢


サッカー選手のお嫁さん♡


大きな字で、ハッキリとそう書かれてあった。


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