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やさしいんだね
第4章 ロストバージン
 松浦は腰を屈めてシャワーを拾い上げ、ラックに並べられたボディソープに手を伸ばす。

「ねぇ、小百合ちゃん?」

 2、3度プッシュしてどろりとした白い液体を手のひらに出し、それを小百合の乳房に塗りつける。
 乳房だけでなく、腕、おなか、それから。

「ほんとにいいの?」

 浴槽のへりにかけた松浦の右足の上に左足を引っ掛けるように乗せられ、股を左右に大きく開かされた状態にされたうえで、泡にまみれた松浦の2本の指が、割れ目から尻に向かって何度も行き来する。
 
「まだしたことないんだろ?それなのに、俺みたいな男にさ・・・」

 じきに指は膣の入り口を通り過ぎ、その奥の入り口に到達した。
 愛液と泡の混じった潤滑剤でたっぷり濡れたそこに、返答を得るより先に松浦の太い指が2本同時にめり込まれていく。
 小百合は小さく喉を鳴らし、同時に息を止めた。
 快感と呼ぶには程遠い、強い違和感と微弱な痛みに襲われたからだ。

「いやだったら、今のうちに言って欲しいんだ。小百合ちゃんに無理させたりしたくない」

 松浦は口ではそんなことを言っていたが、小百合の小さい肛門に突き立てた2本の指を引き抜こうとする素振りは一切見せなかった。
 
 
「んっ・・・」

 小百合はきつく目を閉じ、泡だらけの松浦の身体にしがみついた。
 その間にも指は奥へ奥へ捻じ込まれていく。

「痛い?」

 松浦は根元まで捻じ込むと、今度はいつも膣にする愛撫と同じ動きでゆっくり引き抜いたり、また捻じ込んだりを繰り返した。
 けれど小百合にいつもの快感は訪れなかった。
 その代わり、今まで経験したことがないような強烈な痛みに襲われていた。

「大丈夫?」

 ううん、ちがう。
 経験したことがある。
 この痛み、知ってる――――。

 小百合はハッと気付き、きつく閉じていた目を開けると、ハッキリとした口調で「痛くなんかないよ、だいじょうぶだよ」と松浦に告げた。
 自分の意思とは関係なく窄まろうとばかりする場所を恨めしく思いながら、小百合はホッとした顔で「よかった」と呟き更に奥まで指を差し込んでくる愛おしい男の顔を見上げていた。

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