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初音さんの二十日間
第10章 青春への乱入!
「それはさ、瑞希くんを傷つけたことで自分が傷つくのが嫌だからじゃない?」

言ってからハッとする。同じように柊二くんも顔を上げた。

「誰も傷つかない終わり方なんてないんだよ。それに…傷つかないと瑞希くんは新しい一歩を踏み出せないんじゃないかな」

事情も知らずにすみません…と、私は小さくなった。

「初音さん、ありがとうございます。その通りです。僕は付きまとって先輩を苦しめたいわけじゃないんです」

真綿で首を絞められるより、スパッと刀で断ちきってもらえた方が立ち直りも早い。山辺もそうであってほしい…なんて、少し切ない気持ちになる。

「先輩…」

すがるような瑞希くんの瞳に、柊二くんが口を開いた。


「俺…わかんなくなっちゃったんだよ…」



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