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初音さんの二十日間
第10章 青春への乱入!
「いいやつ、としてそばにいれば良かったんだね…。でも僕は無理だった。先輩の全部が好きだったから」

「俺もお前の事、好きだと思ってたよ」

涙ぐみそうになるのを必死でこらえる瑞希くんは健気で、私も涙を誘われそう。

「去年の文化祭に先輩が片付けを手伝いに来てくれたんです。でも片付けの途中で脚立から落ちて捻挫しちゃって。で、僕が家まで送って行ったんです」

大切な思い出をそっと取り出すように、瑞希くんは嬉しそうな顔で私を見る。つられて私も微笑んだ。

「こんなデカイの、運ぶの大変だったでしょ?」

「はい、階段登るのにすごく苦労して…部屋についた時は僕、汗かいちゃってました」


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