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初音さんの二十日間
第10章 青春への乱入!
電車や街の中で高校生のグループに出くわすことがある。私は彼らが好きだったりする。
たいてい彼らはくだらない話で盛り上がっていて、時に迷惑に感じることもあるのだけれど、その分別のない自由さは大人になってしまった私には持てないもので、どこか眩しく羨ましく見えるのだ。
「でもね、時々…すごく疲れて見えたんです。みんなと一緒に笑っているのに先輩の笑顔だけなんていうか、泣き笑いのピエロのお面みたいに僕には見えちゃって」
「作り笑いってこと?」
「んー、無意識な作り笑いって感じかな?」
楽しいと思って笑っているつもりなのに、深層心理では楽しめていないってことかしら。
「小さい頃から期待をかけられたり頼られたりが当たり前で、またそれに応えようと頑張っちゃう人だから。先輩ばっか見ていた僕にはその歪みが見えちゃったのかもしれないです」
「むー」
たいてい彼らはくだらない話で盛り上がっていて、時に迷惑に感じることもあるのだけれど、その分別のない自由さは大人になってしまった私には持てないもので、どこか眩しく羨ましく見えるのだ。
「でもね、時々…すごく疲れて見えたんです。みんなと一緒に笑っているのに先輩の笑顔だけなんていうか、泣き笑いのピエロのお面みたいに僕には見えちゃって」
「作り笑いってこと?」
「んー、無意識な作り笑いって感じかな?」
楽しいと思って笑っているつもりなのに、深層心理では楽しめていないってことかしら。
「小さい頃から期待をかけられたり頼られたりが当たり前で、またそれに応えようと頑張っちゃう人だから。先輩ばっか見ていた僕にはその歪みが見えちゃったのかもしれないです」
「むー」