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初音さんの二十日間
第13章 初音さんの二十日目
そう言われると返す言葉がない。

「浪人するよーな資金力、うちにはないからさ。落ちたら店を継ぐしかないよなー、って思ったら震えちゃったよ」

ひひひっと笑うけど、そんな恐ろしい光景を考えたこと、私もなかった。

私と柊二くんのこの生活は思いもかけない期間限定だったけれど、春にはまた同居が再開するって思い込んでいたよ。

「いずれにしても、あとは結果を待つしかないわけだし、私は本気でウチの子になりなって思ってるんだから。春からの事は何にも心配すんな」

「初音さん…本気で男前だ」

「そうだ男同士、今夜は飲むぞー!」

ゴブゴブとシャンパンを空にして、ワインにオープナーをねじ込んだ。

「男らしい初音さんも好きだけど…今夜は女の子でいてくれないと……」

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