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初音さんの二十日間
第13章 初音さんの二十日目
は! そ、そうだった。
今夜は…今夜こそは、気持ちだけでなくカラダまでさらけ出す日!

結果はともあれ、私も柊二くんも関所を通過した安堵感でうっかり満たされてしまっていたよ。

面と向かっての「これからしますよ」的な会話はなんと恥ずかしいことか! しかも初めてだしね!

「う、うん」

開けたばかりのワインをトプトプと注いで一気に飲み干した。ああ、なんか照れる。

「緊張します、ね」

同じようにグラスを空けた柊二くんも、いつもの「隙あらば」と無駄なスキンシップを仕掛けてくる雰囲気もなく、今日はなんだかしおらしい。
ここに来たばかりの頃を思いだしてニヤニヤしてしまうよ。

まさかこんな関係になるなんてね。

振り返ってみるとこの二十日間は、人生のどの部分の二十日間より密度の濃い二十日間だった。

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