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初音さんの二十日間
第13章 初音さんの二十日目
柊二くんがいなかったら、腹を立てつつ山辺とズルズルしていただろうし、職務が変わることに対して前向きにはなれなかっただろう。
人を羨みつつもなんとなく過ごせている毎日に流されて、「アラサー」だという事実を開き直る方向へ持っていってしまったに違いない。
「初音さんはさ、どうだったの? 今日のプレゼン」
「うん、なんだか夢中のうちに終わってた」
「全力出せた?」
「うん、つもり」
私は未熟で年よりもずっと子供で、でももう「若さ」を言い訳には出来ない年齢だし社歴だし。
「ワインって美味しいね。大人になった気分になるな」
「ファンタグレープとどっちがいい?」
「あー…ファンタ、かな。って、笑うな!」
可愛い。
そう、キミはまだファンタが似合う年なんだよね。
人を羨みつつもなんとなく過ごせている毎日に流されて、「アラサー」だという事実を開き直る方向へ持っていってしまったに違いない。
「初音さんはさ、どうだったの? 今日のプレゼン」
「うん、なんだか夢中のうちに終わってた」
「全力出せた?」
「うん、つもり」
私は未熟で年よりもずっと子供で、でももう「若さ」を言い訳には出来ない年齢だし社歴だし。
「ワインって美味しいね。大人になった気分になるな」
「ファンタグレープとどっちがいい?」
「あー…ファンタ、かな。って、笑うな!」
可愛い。
そう、キミはまだファンタが似合う年なんだよね。