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初音さんの二十日間
第13章 初音さんの二十日目
久しぶりに残業もなく、春の香りが混じり始めた空気を吸い込んで最寄り駅を出た。
「そろそろ肉まんも終わりかなぁ…」
ふたりでハフハフしながら歩いた夜空を思い出し、吸い込まれるようにコンビニで肉まんを買った。
今夜、電話してみよう。
熱々にかぶりつくと涙が滲む。
「悲しくないもんねー」
どうしても浮かんでくる、あのバカみたいに楽しかった夜を振り払うよう大股で歩くと、あの角が見えてきた。
ここでいろんな事があったよなぁ。
またも込み上げてくる涙ごと、肉まんを飲み込んだ。肉まんってこんな味だったっけ? 全然味がしないよ、 柊二くん。
うつむいてスンと鼻をすすると、つま先に雫が落ちる。
「まーた買い食いしてる!」
「そろそろ肉まんも終わりかなぁ…」
ふたりでハフハフしながら歩いた夜空を思い出し、吸い込まれるようにコンビニで肉まんを買った。
今夜、電話してみよう。
熱々にかぶりつくと涙が滲む。
「悲しくないもんねー」
どうしても浮かんでくる、あのバカみたいに楽しかった夜を振り払うよう大股で歩くと、あの角が見えてきた。
ここでいろんな事があったよなぁ。
またも込み上げてくる涙ごと、肉まんを飲み込んだ。肉まんってこんな味だったっけ? 全然味がしないよ、 柊二くん。
うつむいてスンと鼻をすすると、つま先に雫が落ちる。
「まーた買い食いしてる!」