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初音さんの二十日間
第3章 初音の心は母心
「どういうこと!?どういうことなの!?」
数ヵ月ぶりに活躍の場を与えられた炊飯器が、張り切ってシューシューと蒸気をはいたあと楽しげな電子音で炊き上がりを知らせてくれたので、ウキウキと蓋を開けた私の第一声。
艶やかにふっくら炊き上がるはずの白米さんは、長湯しすぎたあとのように全員揃って倒れてる。寝ている。ふやけてる。
水加減間違えた……。
育ち盛りの受験生に英気を養う晩ごはんミッションが、暗雲漂うどころかどしゃ降りっぽい気配に、私の気持ちも倒れそう。
「お待たせしました…消化を助けるどころかすでに消化されてる風ごはんです」
「なにそれ?」
「そしてこちらは本日のメインディッシュ、肉じゃが………だったものです」
小宇宙で発掘された、ボーリング大会の優勝賞品・圧力鍋でつくった肉じゃがは、圧をかけすぎたのかジャガイモはすべて姿を消し、つけたはずのないトロミと化していた。
数ヵ月ぶりに活躍の場を与えられた炊飯器が、張り切ってシューシューと蒸気をはいたあと楽しげな電子音で炊き上がりを知らせてくれたので、ウキウキと蓋を開けた私の第一声。
艶やかにふっくら炊き上がるはずの白米さんは、長湯しすぎたあとのように全員揃って倒れてる。寝ている。ふやけてる。
水加減間違えた……。
育ち盛りの受験生に英気を養う晩ごはんミッションが、暗雲漂うどころかどしゃ降りっぽい気配に、私の気持ちも倒れそう。
「お待たせしました…消化を助けるどころかすでに消化されてる風ごはんです」
「なにそれ?」
「そしてこちらは本日のメインディッシュ、肉じゃが………だったものです」
小宇宙で発掘された、ボーリング大会の優勝賞品・圧力鍋でつくった肉じゃがは、圧をかけすぎたのかジャガイモはすべて姿を消し、つけたはずのないトロミと化していた。