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初音さんの二十日間
第1章 受験生がやってくる!?
『ほら、宴会の途中で飽きちゃった柊二くんにあんたが絵を描いてあげたら大喜びして』

あー…そんなことあったねぇ。
へったくそなアンパンマンの絵を延々描かされたっけ。
あれ何年前?
中2の時だから…14年前?

『初音お姉ちゃんと離れたくなーい、って帰るとき大泣きして、あんた懐かれてたわよね』

そうそう。
泣いて叫んで私にしがみついて離れなかった小さな男の子。
白くてポッチャリしててクルクルくせっ毛で。
もちもちした柔らかい手がマシュマロのようで、可愛かったなぁ。

そっか受験生か。
そんなに大きくなったんだね。



って、


ちょっと待て。




「泊めるとかどーとか言ってたけど?」

『そーよぉ。2月の半ばにそっちの大学を受験するから、それまで泊めてやってって話よ』

「その日に、じゃなくて、それまで?」

『そう、それまで』

「いつから?」

『来週』

「はああ!?」

来週から2月の半ばまでって、3週間近くあるんですけどっ!



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