この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初音さんの二十日間
第4章 やらしさと、切なさと、後ろめたさと
逃げるようにして会社をあとにし、駅のトイレで化粧を直した。情事のあとの気だるく潤んだ雰囲気を消したくて、パフを重ねる。
ーー会社を出るのが遅くなりました。帰宅は7時過ぎると思います。
後ろめたくて申し訳なくて、柊二くんへのメッセージが硬い言葉になってしまう。
ごめんね、初音さんはダメ人間だ。
あなたを苦しめるお母さんと同じことを、たった今してきてしまいました。あなたが待っているというのに。
ーーりょーかい!慌てず帰ってきてくださーい!
慌てるどころか進みたがらない足を無理矢理動かしてくれるのは、腹を減らしてるであろう柊二くんの存在で、そのジレンマに胃が痛んだ。
ーー会社を出るのが遅くなりました。帰宅は7時過ぎると思います。
後ろめたくて申し訳なくて、柊二くんへのメッセージが硬い言葉になってしまう。
ごめんね、初音さんはダメ人間だ。
あなたを苦しめるお母さんと同じことを、たった今してきてしまいました。あなたが待っているというのに。
ーーりょーかい!慌てず帰ってきてくださーい!
慌てるどころか進みたがらない足を無理矢理動かしてくれるのは、腹を減らしてるであろう柊二くんの存在で、そのジレンマに胃が痛んだ。