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初音さんの二十日間
第5章 週末の爆弾
「…というわけで、その夏希に強引に押しきられました」

迷って注文したのはカフェラテで、運ばれてきたそれには謎のキャラクターのラテアートが。

「おおっすげー!都会のカフェってすげー!」と写真を撮っていますが、それってなんのキャラクター?

「ウィスパーっすよ。知らない?」

知らない。都会に住んでるけど知らない。

「そいじゃ、今夜の外メシは夏希さんって人と一緒ってことなんすね」

「そなの。嫌なら断るから」

「やじゃないっすよー!都会のお姉さん、会ってみたい!」




え?




あ、え?




なんか今イラッと…ていうか、チクッとした?
なにがチクッとした?

「都会のお姉さんって言っても、おっさんみたいな人だよ」

あ、やだ…友人を貶めるようなこと言っちゃった。
夏希はおっさんのように豪快だが、文句なしにいい女なのに。

「おっさん上等!楽しそうな人じゃないっすかー」

すげー楽しみー♪とラテをふぅふぅしている柊二くんはきっと、おっさんお姉さんにも人懐っこくして仲良くなっちゃうのだろうなぁ。

ぅお!またチクッとした!

チクチクする気持ちに焦ってハニーラテに口を付けると、伊達メガネがもわっと曇った。



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