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初音さんの二十日間
第5章 週末の爆弾
「初音と親戚だけど、名字は違うんだ」

「あー、それは従兄の子供同士なんで」

「私のじいちゃんと柊二くんのばあちゃんが兄妹なんだよね」

そんな話から始まったところに店員さんがオーダーを取りに来る。

「さいしょはビールだよね?じゃ、ZIMAみっつ」

「ちょっと待ってよ!柊二くんは…アレでしょ」

まさか店員の前で未成年と言うわけにはいかず、ゴニョゴニョしていると

「俺、酒屋の息子っすよ。無問題♪」

「いいね、若者よ!じゃ、ZIMAみっつね♪」

なんだろう、この連係プレー。どうなっても知らんぞ。酔ったこんなでっかいのを連れて帰る体力ないからね。

「初音はなんで今日メガネなん?」

「…あー、まぁ色々とあってね」

「なに?例の彼?」

わー、柊二くんの前で言うな!余計なことしゃべるな夏希!

「え、初音さんて彼氏いたんすか?」

「いっ、いないよいない!」

「あれ?じゃ別れたの?」

もうぅ、空気読んでよ夏希ー…。
必死で目配せするも、視線は柊二くんに行きっぱなしでこっちなんて見やしない。

「いや、私の話はいいからさ」

手元のビールをごぶごぶ飲んで誤魔化してしまえ。

「じゃあさ、柊二くんは彼女いんの?」

は!それよそれ!夏希ファインプレー!
私もそれ聞きたい!



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