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初音さんの二十日間
第8章 鬼の居ぬ間の
タイの山辺から
ーー急に出張になった。帰ったら連絡する。
というメッセージが入っていた。
どう返信しようかと迷い、
ーー気をつけて。
とだけ送る。
驚くほど早く返信が着た。
ーー会いたいよ。
やめて。
何のために会うの?会いたいの?
職場での地位も、家庭という巣も持っているあなたが、それ以上を欲しがるのはずるい。
あなたの中に溜まっていく生理的な欲望で私は満たされていたけれど、今の私が欲しいのは快楽ではない。
心を暖めてくれる、ひと皿のスープなんだ。
返信はせず、スマホの電源を切った。
柊二くんはもう寝ただろうか。
ーー急に出張になった。帰ったら連絡する。
というメッセージが入っていた。
どう返信しようかと迷い、
ーー気をつけて。
とだけ送る。
驚くほど早く返信が着た。
ーー会いたいよ。
やめて。
何のために会うの?会いたいの?
職場での地位も、家庭という巣も持っているあなたが、それ以上を欲しがるのはずるい。
あなたの中に溜まっていく生理的な欲望で私は満たされていたけれど、今の私が欲しいのは快楽ではない。
心を暖めてくれる、ひと皿のスープなんだ。
返信はせず、スマホの電源を切った。
柊二くんはもう寝ただろうか。