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初音さんの二十日間
第9章 闘え!アラサー女!
「や、山辺さん!!」
ハッとしてカラダを離した柊二くんとの間に割って入った山辺課長。どうしてここにいるのっ!?
「お前が居候の高校生か!?」
柊二くんの胸ぐらをつかんで怒号する額に青筋が浮く。こんなに取り乱して激昂する山辺を初めて見て、さっきまでの甘い疼きが吹き飛び足が震えだす。
「初音になにしたんだ!?発情期のガキが!」
ジムで鍛えた筋肉は、自分よりも10センチ近く上背のある柊二くんを持ち上げそうな勢いでギリギリと音を立てた。
突然の乱入者に呆然としていた柊二くんの目付きが変わり、負けじと山辺のネクタイを絞り上げ
「勝手に邪魔してきたのはそっちだよな!? 失礼だろ、おっさん」
静かな口調が恐ろしい。
互いの喉元を左手で締め上げ、固く握られた右の拳。睨みあう二人はまさに一触即発で、原因は僭越ながらこの私。どうなってんの!? こんな少女漫画のような展開が、自分の人生に起こるなんて!