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初音さんの二十日間
第9章 闘え!アラサー女!
「だからと言って私やお母さんのしていた事を正当化するつもりはないし、許されることでもないと思ってる。でもね、お母さんがそうなってしまった理由を、少しでもわかってあげるようになってほしいな、なんて。そしたら柊二くんも少し楽になるのかなぁ、って思う」

「自分を棚上げして偉そうなこと言ってごめん」

そう言って私も膝を抱える。
沈黙を計るように、ココアのカップには薄い膜が張っていく。


「俺は…」

長いこと黙っていた柊二くんは、咳払いをひとつして

「俺はお袋があんなふうになってしまった事に腹を立てるだけだった。その原因についてなんて考えたことなかったな」

「俺はまだ人生の大変さを味わったことがないからさ、ピンとこないとこもあるけど…。親父は甲斐性ないし、お袋もすげぇストレス抱えてたのかもしんないっすね…」


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