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純の恋人
第5章 三人の正体
 
 ピンクの女の子は、UN‐J。これで『アンジュ』と読むらしい。メインボーカルは彼女のようだ。セクシー担当なのか、彼女はかなり際どい衣装を着ている。

 金髪の女性は、KANATA。アンジュと比べるとほとんど露出のない、フランス人形みたいな外見なのに、厳ついベースを持っていて格好良い。

 そして、問題の男性。ギターの彼の名は、MIYAだった。

「ミヤ……」

「俺じゃ不可能だが、お前が動けるなら、この事務所に確かめに行ける。半年前に休止したとはいえ、一度所属したタレントを門前払いはしないだろう。誰が誰なのか、それではっきりするさ」

「そうですね、私、事務所に行って聞いてきます」

「当面は、田中に気を付けろ。病院での言動もそうだったが、あいつは怪しい。ストーカーの可能性は高いぞ」

 他の二人にもまだ、どうして私に恋人と名乗ったのかという疑問は残っている。でもそれを踏まえても、田中さんは不自然だ。

「それと、ストーカーについてだが。お前何か証拠を保管していなかったか? 脅迫の手紙とか、盗聴器とか、そういうものがあれば手掛かりになるんだが」
 
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