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純の恋人
第6章 マスカレード
 
「それはそうかもしれないですけど、私に言われても困ります……」

 今度は私が気まずくなって、まだ残っているスープを飲んで誤魔化す。あまりおしゃべりして麺が伸びたらもったいない。ひとまず食べる事に集中しようと、意識をラーメンに向けた。







 家へ帰ってからは、もう一度ストーカーの証拠を捜索してみる。けれど証拠も、私の記憶に繋がるものも、何もなかった。

「これは、逆に怪しくないか?」

 国重さんはソファに座ると顎に手を当て、眉をつり上げながら話す。

「今時、紙の日記がないのは理解出来る。だがパソコンの中にすら、写真やSNSの痕跡がない。爺さんや婆さんだって、普通にインターネットを使うのに、若い奴がここまで何もしないなんてあるのか?」

「携帯が残っていればよかったんですけれど……事故で壊れちゃいましたから」

「犯人はお前の部屋に盗聴器を仕掛けられたんだよな。だとすれば、証拠を隠蔽するため不法侵入する可能性もあるはずだ」

「あの、田中さんが保管している可能性はどうですか? 田中さんは、事故前からストーカーについて知っていましたし」
 
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