この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
純の恋人
第6章 マスカレード
 
 本人に悪気がなさそうなだけに、私はどう返したらいいか分からなくなる。一人暮らしの女性の部屋に、男性が泊まる。それが一般的でない事は、今も確かなはずだ。ご飯を食べるなんて問題じゃない。そんな事イドさんが知ったら、たとえやましくなくても傷つくに決まっている。

「む……無理です、そんなの! 私、イドさんを裏切るような真似は出来ません!」

「じゃあ、お前は犯人に襲われていいのか? ストーカーと轢き逃げの犯人が同一人物とは限らないぞ。複数の人間に狙われても、お前は彼氏を優先するのか」

「それは……」

「別に、俺はお前に妙な事をする気なんかない。それともお前は、誰しもが自分を愛するとでも思っているのか?」

 そんな事はない。今でこそ国重さんは普通に接してくれるけど、流されていた頃の私は確実に嫌っていた。多分、私がここで意見を通したら……その時と同じように、私に見切りを付けるんだろう。

「俺とお前は男と女じゃない、刑事と被害者だ。初めから枠が違うんだから、あまり気にするな」

 私が引かなければ、多分重い空気は収まらない。けれど私だって、譲りたくないものはある。イドさんを悲しませる真似だけは、もうしたくなかった。
 
/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ