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純の恋人
第7章 真実の破片
するとここで、今まで沈黙していた姉がたまらずに口を開く。
「様子がおかしいというか、私ね、一回この部屋に来たのよ。そしたら純ちゃんはいないし、なんか変な手紙はあるし……なのに純ちゃんは、別に何もないって言い張るし」
「真子に相談すれば、僕にも話が通るだろうから、気を遣ったんだろうと思ったんだ。それで、悪いと思いながら、一回部屋を真子と調べさせてもらったんだ」
「そしたらストーカーの証拠が山ほど出てきたから、純ちゃんが危ないと思って、探してたら……」
姉の目に涙が浮かぶと、松永さんは背中をさすって慰める。姉に向ける心配した目線に、私は二人の絆を感じた気がした。
「その日に、純は事故に遭ってしまった。純の変化に気付くのが遅くなったのは、僕が選挙を度々優先した結果だ。どうか、真子を責めないでほしい」
「そんな、お姉ちゃんを責めるなんて、考えたくもないです。むしろ心配してくれて、感謝しなきゃ」
「ありがとう、純。それで、僕達は病院へ駆けつけたんだけど……そこで、ふと気付いたんだ」
松永さんは顎に手を当てると、目を厳しくする。