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純の恋人
第9章 彼の本性
「わ、私をどうするつもりなんですか?」
「どうもしないよ。今までみたいに、普通に暮らすだけ。ただ――純ちゃん、せっかくオレのものになったのに、変な男との付き合いをやめないから。別々に暮らすより、一緒の方がいいなって思ったんだ」
「何を言ってるのか、意味が分からないです。こんなの、普通じゃないです……なんで私を拉致したんですか!」
するとイドさんは、目の色を変えて私の顎を掴む。今にも刺し殺されそうな狂気に、身が竦んだ。
「純ちゃんが悪いんだよ。病院に来てた三人は、あんな馬鹿でもマスカレードのメンバーだよ? オレより先に出会った奴らだから、我慢した。でも、あの眼鏡とかチンピラは違う。なんでオレより後に会った奴にまで、純ちゃんとの時間を邪魔されなきゃいけないの?」
「三人の事も、マスカレードの事も……知っていたんですか!?」
病院では、初めましてって言っていたのに。マスカレードの事は事務所でも一部の人間しか知らないはずなのに、初対面の人間が分かるはずはない。
「それについては……謝るよ。けど純ちゃん、純ちゃんは記憶がなければ、オレを選ぶんでしょ? だったらいいじゃん、なんだって」