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純の恋人
第5章 三人の正体

「それはそうだけれど、でもまー君が言うなって……」
「ま、まー君? 誰ですかそれ」
姉はとうとう泣き出してしまい、イドさんがなだめても会話にならない。ようするに、姉もまた誰か――まー君という人物に、口止めされているんだろう。私の真実を、どうせ信じないからと言いくるめて。
「とにかく、落ち着きましょう? 今、お茶入れたんです。ゆっくり考えれば、きっと大丈夫ですから」
一体誰が家主なのか、イドさんは姉の手を引いて寝室から出て行く。優しくて、いい人。けれど私の中に、嫌な気持ちが溜まる。考えるまでもない、これは、嫉妬だ。
そういえば、私は姉のそんなところが嫌いだったんだっけ。どこか頼りなくて、いつも皆から心配されていた姉。私だって甘えたかったのに、姉がそれだから弱音なんて吐けなかった。
でも、姉に悪気がある訳じゃない。多分過去の私は、そんなもやもやを吹き飛ばして姉と和解していたはずだ。だったら、今の私だって乗り越えられるはず。嫌な気持ちは奥にしまい込んで、私は改めてCDを眺めた。
メインは、ピンクの女の人と、隣に並ぶ金髪の女の人二人組のようだ。

