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純の恋人
第5章 三人の正体

そしてその後ろに、ちょっと小さく男性二人組が映っている。四人のメンバーが共通しているのは、ビジュアル系の服装。そして、仮面で顔を隠している事だった。
何枚か違うCDを手に取ってみるけれど、どれも服装と仮面のスタンスは変わらない。ビジュアル系なのに、顔を隠していていいんだろうか。よく分からないバンドだ。
けれどこのバンドは、私の過去に何か関係している。私はひとまずCDを棚に戻して、イドさん達の元へ向かった。
「あ、純ちゃん。純ちゃんも座って。勝手に悪いかなと思ったんだけど、お茶淹れたから」
姉が掃除のついでに食材を足してくれたのか、それとも買い置きしていたのか。紅茶を差し出されて、私は促されるまま座る。
「お姉さん、それで、まー君って? その人が、何かしたんですか?」
「違うの……まー君は私の彼氏で、今回の事も相談に乗ってくれてて……あんまり突飛な話じゃ信じられないだろうから、話す頃合いを見計らった方がいいって」
姉は紅茶の香りで少し落ち着いたのか、ポツポツと話し出す。けれど途中から入ってきたイドさんは話が見えないようで、眉をひそめていた。

