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純の恋人
第5章 三人の正体

「よく分からないですけど……今が、話す頃合いじゃないんですか? 退院したんだし、純ちゃんが知りたがってる事なら、教えてあげてもいいじゃないですか」
「そうね……イド君の言う通りかもしれない。だっていくら突飛でも、それが純の人生だもの」
姉は潤んだ目を擦ると、私に視線を移す。
「純、私明日まー君と一緒に来るわ。そこで全部話すから」
「まー君と一緒……って、今じゃ駄目なの?」
「私が話すより、まー君の方が詳しいから」
「お姉ちゃんより、お姉ちゃんの彼氏の方が詳しいの? 普通逆でしょ?」
その話が本当だとすれば、まー君とは私の知り合いでもあるのだろう。とはいえ、私の事を姉よりも詳しく知っているって、どんな関係なんだろうか。そんな状況、気まずくて仕方ない気がするんだけれど。
「でも、絶対まー君の方が上手く説明できるもの」
姉は全く気にしていないようで、簡単にそう言い切ってしまう。記憶に関する事だから断りは出来ないけれど、なんだかまた問題が増えたようで、ドッと疲れてしまった。
「……分かった。じゃあ明日、まー君さんと一緒に来て」

