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I can never thank you enough
第1章 桃☆マジック!~甘い果実酒にふわふわ~

酔っぱらっているせいで手元がふらついて。
琥珀色の液体に長い時間漬かっていた桃の実はグズグズと軟らかく、果実酒の瓶から華子は上手にその実を取ることが出来ない。


「わっ!冷たい!」


テーブルの上の華子のグラス。

そのグラスにはまだ半分ぐらい液体が残っていた。
上手く桃の実を取れない華子は、少しむきになって瓶の中味と格闘している。

その肘がグラスにひっかかり、倒れたグラスの中味が華子の膝から上を濡らす。


「濡れちゃった……!」


華子はそう言ってにっこり俺に向かって微笑み、ゆっくりワンピースをたくしあげた。

その微笑みはまるで天使の様な可憐さで。
その行動はとんだ小悪魔。


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