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I can never thank you enough
第1章 桃☆マジック!~甘い果実酒にふわふわ~
このラッピングは明らかにお店で店員さんが、プロが施したものではなかった。
可愛らしく結ばれたリボン。
でも、売り物の様にこなれた感じは無くて、
手作り感溢れたそのプレゼントの佇まいは明らかに女性からのもので。
誰か女の人がようちゃんの為に――?
ようちゃんが自分に渡すぐらいだもん!そこは笑って受け取るのが奥さんの余裕だもん。
負けるな私!
華子は陽輔からそれを少し複雑な気持ちで受け取った。
華子の気持ちが顔に出ていたのだろう……。
「くすっ、華子……百面相だな」
袋を受け取ると同時に陽輔から降りてきたその言葉。
その声に華子はちょっとだけムッとして、
プイッと陽輔から顔を背けた。
(ようちゃんのせいなのにーっ!)
「…くすっ。
華子?はーな?はなちゃん!
焼きもち妬いてくれてるの?」
「知らないもん!」
ニヤニヤして華子の顔を覗き混む陽輔がちょっと憎らしくもある華子である。