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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
(貴也なんて、ロクデナシのアンポンタンよ!
いつの間にか、その辺の男と同じになっちゃってさ!)
小学生の頃は、コミックを読みっこしたのに。
いまでは、奴の愛読書といえば、「メンズモンモ」「週刊少年ホップステップ」なんだそうだ。
(けっ……メンズモンモなんて、気取ったイケメン御用達雑誌を読んでるわりに、ホップステップを読んでゲラゲラ笑ってるなんて……精神年齢が低いんじゃないの?
だいたい、なにが「少年」だっつーの。
女の子はいいの。年に関係なく「少女」なんだから!)
推しのライトノベルが映画化されると、お祝いのパーティーをした。
お菓子を開けてジュースで乾杯し、作品のみどころなどを熱く語り合い、夜を明かした。
ゆうみは"お話"を考えるのが好きだった。王子様が出てくるお伽っぽいストーリーがとくに。
女は、幼い頃から現実的である。童話の王子を追いかけるより、身近な男子のほうが手っ取り早い。
小学校低学年にもなると、〇〇君と〇〇ちゃんが付き合い始めた、だとか初チューをした、というゴシップ話が周囲には常にあったが、ゆうみが欲しているのは、二次元の世界のイケメン達……
彼女は、純情だった。「頭の中がお花畑」な女子、ともいえるが。