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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
「鉄平君ったら!ご結婚前のイケないアバンチュールかしらっ?」
紗由理は、両手で口をおおい、ほほを赤らめた。
「ちが、違いますう――ギャアアアア」
昌美は大池をガッチリと抱き締めて離そうとしない。
助けを求める鉄平の姿を、紗由理はスマホで写メっている。
「なにしてんですか――紗由理さんっ」
「うふふふ……記念の写真よ。鉄平君のスマホに送ってあげる」
「要りませんよ!意味がわかりません――っ」
大騒ぎを横目に、茂野は貴也に声をかけた。
「萩原君、大丈夫かい?顔をあげれるかい?」
「いいんですよ課長!貴也は殺しても死なない、図太いロクデナシですから!」
ゆうみは、頭突きで乱れた巻き毛を指で直すと、ふんと鼻を鳴らす。