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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
小学生の頃、自分の名前を上手く言えなかった。
「ゆうみ」ではなく
「にゅーみ」にしか聞こえなかったらしい。
クラスでは、からかいの対象だったのだ。
授業で指されて答える度、真似をする囁きが周りから聞こえる。
皆にバカにされていたが、貴也だけはふつうに接してくれた。
毎朝、学校に行きたがらないゆうみを引っ張って連れていき、帰りは教室に迎えに来た。
滑舌を直すのを目的で、無理矢理ボーカル教室に親に通わされていたのだが、それも貴也と一緒だった。