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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
自己肯定ができない、シャイになってしまった反動なのか、オカルトやおまじないにはまっていた。
当時は夢中だったけど、今では思い出したくない事ばかりだ。
貴也だけは、そんなゆうみをバカにしたりしなかった。
オカルトのうんちくを聞いてくれたし、ボーカル教室をやめた後でも、本の朗読の練習に付き合ってくれた。
よく辛抱強く相手をしてくれたなと思う。
本の……といっても、朗読に使うのは、愛読書のライトノベルだったのだが。
好んで読んでいたのはボーイズ・ラブだったが、朗読の練習をする時にはそれは止めた。
貴也が嫌がったからだ。
男と男が引っ付いて、好きだのどーのこーのという世界は理解出来ないのだろう。
いや、ゆうみにだって本当のところは理解し難い。