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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ





だが、その日の貴也は頑固だった。ゆうみと貴也のBLに関する言い争いはいつまでも平行線で、夜の十時を過ぎても二人の舌戦は終わらなかった。

いい加減疲れて眠くなってしまったゆうみは、貴也の胸に寄りかかったまま眠りこけてしまったのだ。



「おいっばかっ!人に寄っ掛かったまま寝るんじゃないぞっ」という慌てた貴也の声が聞こえたが、ゆうみは気持ちよく朝まで寝てしまった。



翌朝、ゆうみが目覚めた時には貴也は居なかったが、どうやら、ゆうみの両親が夜中に帰って来るまで居てくれたらしい。

母の勇子に「全くあんたは、貴也君に甘えるのもいい加減にしなさい!」と散々叱られ、ゆうみも反省し、学校で顔を会わせた時に謝ろうとしたのだが、貴也に思いっきり無視された。


ゆうみは内心ガーン……だった。

大好きなラノベを思いきり声を出して読むのが何よりのストレス解消で楽しみなのに、貴重な朗読仲間を失うのは手痛い――

何とかして貴也に、貴也様にご機嫌を直して貰い、楽しいラノベライフを送れるようにしなければ!……とゆうみは思い、お小遣いをはたいて「コンジョー」のレモンケーキを大量に買い込み、貴也の部屋を訪ねた。





そう、それは中学三年生になる年の春休みのある日だった。そこで事件は起こったのだ――







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