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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
「ありがとうございます!課長もどうぞ」
ゆうみは、茂野のグラスにビールを注いだ。
「貴也さまにも酒をつがんか――!」
貴也は、長い腕をヒラヒラさせながら挑発するように言った。
ゆうみはイラッとして、あさっての方向をむく。
「そんな態度とっていいのか?
お前のこっぱずかしい過去を、商品開発課のみんなに披露してやろうか」
「なになにっそれ――!聞きたいよ~」
大池が足をパタパタ鳴らした。
「てっぺーくん、落ち着きなさい。
結婚をひかえた殿方のふるまいにはふさわしくなくてよ」
紗由理にさとされ、大池はシュンとうつむく。
「くれ騙しされたみたいな気分……ドゥルッドゥルドゥル」
昌美は、また得意の奇妙な呻き声を上げた。