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色華短編集
第17章 俺の巻 プロローグ
『おい…』

[ん…誰だ…?]

『起きろ!俺!』

肩を揺すられ目を覚ます

『ファ〜ッ…なんだ…Aか…』

Aとは小中高大と一緒の超が付くほどの腐れ縁だ

目を擦りながらアクビをする俺の横にAは座る

[しかしリアルな夢だったな…
あれは小学生の時、祖父母の家に行った時の事だ…
たしか次の日、迎えに来た両親と家に帰ったんだ…
でもしばらくして祖父母の都合で家を手離したから2度と行く事はなかったんだっけ…]

ぼんやりとした頭で色々思い出そうとがんばってみる

『寝起きで悪いんだが相談があるんだ…』

[夢ではハッキリ見てる筈なのに顔と名前が思い出せない…]

Aの話はそっちのけで色々思い出そうと頭を捻っていると

『おいっ!人の話聞いてるのか!』

痺れを切らしたAは俺の肩を揺する

『ああ…すまない…金ならねーぞ』

Aは呆れた顔をしながら

『違うって!
お前バイトやめて今暇だろ!

親戚の田植え手伝わないか…?』


プロローグ 俺の巻 完
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