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色華短編集
第54章 都の巻 生贄
お堂から戻った住職達は気を失った都の身体を清めると本堂のど真ん中に布団を敷き裸のまま寝かせる

『取り敢えず、落ち着きましたね・・・』

住職を始め、他の僧達が都を中心に座る

『住職!説明を・・・』

『うむ・・・だがその前に修行者達はこのお札を持って先のお堂へ向かってくれたまえ』

住職はお札を修行者達に渡した後、深呼吸すると事の経緯を語り始める

『これは昔、大々住職に聞いた話だ

大昔、先のお堂は尼寺だったのだが、靡蓮という美しく淫靡な身体の尼僧がいたそうだ

靡蓮は他の尼僧達と違って身分の高い家の出で容姿と身体に自信を持っていた

そんな女が日の目を浴びず朽ち果てていくのに耐えられ無かったのだろう

ある日、そんな心の隙間を突くかのように物の怪が靡蓮に取引を持ち掛けたそうだ

内容は、童貞の精液を吸うことによると若返り

靡蓮は即座に物の怪との取引に応じた、幸いお堂で子供達の手習いをしていたから獲物には事欠さなかった

しかし、あまりにも子供の失踪が多いので村の者達が住職と尼僧長に相談したそうだ

すると尼僧長が日に日に若返る靡蓮の事を口にしたそうだ

まさかと思いつつも確証が持てず様子を見ることになった

暫く何も無かったのだがある夜、靡蓮はお堂に通う子供達の1人とお堂下の清流で戯れているのを見つけた

すぐさま止めようとしたが次の瞬間、靡蓮は絶頂を迎えた子供のチンポと陰嚢を頬張り食べ出したのだ

皆があまりの光景に動けずいたのだが、ようやく1人が飛び出し靡蓮を押さえ付けたが物の怪と取引した靡蓮の力は凄く、大人数人掛りでようやく取り抑えた後、鎖で縛り上げここの独房に放り込んだそうだ

すぐにでも殺してしまえと村の者達は言ったが、後々同じ過ちを繰り返すかもしれないという事になり、靡蓮への尋問が始まり解った事がいくつかあった

一つは先にも言った童貞の精液で若返る事

一つは食べた子供の亡骸は靡蓮の部屋の畳の下に隠してある事

若返る他に何をやっても死なない事

若返るが一定期間精液を飲まないと、渇きと疼きが発生する事

が解った、現に先に尋問と言ったが名ばかりでほぼ拷問だったそうだが傷口はすぐにふさがり全く堪えなかったそうだ・・・』

住職はここまで語ると一度、茶をすする

一同は半信半疑ながらもその話に聞き入っていた・・・


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