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微Sな同僚に犯されて
第1章 はじめてのS?
「あの。ごめんなさい。今夜はちょっと予定があって……」


凛は声を小さくして答えた。自分を脅した椎名がダブルで恨めしい。だって椎名が自分を予約しなければ部長と食事に行けたのだから。ホテルのイタリアン、創作フレンチ。部長の指定した店は両方とも高級店だ。一般事務の凛が通えるような店ではない。


「そうか。じゃあまた次の機会に」
「そう言っていただけると」
「楽しみにしてるよ。って、お詫びする立場の言葉じゃないね」


岡田部長はようやくそこで凛の手を放した。凛は席に戻る。座って再び部長を見るとにっこりと笑っていた。つかまれた手首、そして触れられた鎖骨が熱い。目の前のパソコンのモニターに集中しようとするけれど、部長に言われたことが気になって気が散れてしまう。凛はできるだけ岡田部長のことを考えないようにしながら仕事を進めた。しかしありがたいことに、ありがたいというべきか岡田部長は午後になって席を外した。どうやら出張らしい。椎名も外回りに忙しいのか、オフィスには戻ってこなかった。


***


「お先に失礼します。渋沢さんは残業?」
「あ、はい。岡田部長に頼まれた資料があって」
「昨日も残業だったでしょ。あんまり頑張らないで。じゃあね」
「お疲れ様です」


同僚を見送る。時計の針は6時を回ったところだ。凛は預かったメモリスティックをUSBに差し込み、画面を出した。データを読み込み、表に整理していく。やはり営業成績は椎名がダントツでトップだった。ベテランの年配社員よりずっと契約高は高かった。

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