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愚者の唇
第1章 愚者の唇
「どうやって」
低い声には殺意がこもっている。
私は脱げと言われた服を、一枚すら脱いでいなかった。
「…、申し訳ありません。すぐ脱ぎます」
彼はあきれ顔で、もう何も言わない。
何も言ってくれないのも、震えあがるほど最高に怖い。
とにかく急いで腕をクロスにし、部屋着のTシャツを脱ごうと顔まで上げたら、その格好を待っていたように床へと押し倒された。
計らずも拘束された状態になり、Tシャツ内部に目隠しまでされて、ショートパンツから脱げばお気に召したのか…、と気がついた時には遅かった。
釣り針でも抜くようにショートパンツが下着ごと剥ぎ取られ、固い指先が無遠慮に私の入り口を探る。
もう十分に濡れそぼってはいるが、こんなものに入れては自分のものが傷つくとでも言いたげな、愛撫とすら言えない抜き差しが数度あった。指の数はたぶん2本。
それでも気に入らなかったらしい。
私の顔にかかるTシャツが、少しだけ引き下げられた。
私の髪をおごそかに耳にかけ、冷酷な唇がそこに宣告した。
「仕事中にその趣味出すのやめろ。次にやったら…」
一体どうなっちゃうの……
私の期待は最高潮に高まる。
身をよじり、太股が彼の指先を探してむやみに浮いた。息も絶え絶えに、乳房を彼の濡れたシャツ越しの腕へと猛烈にすり当てた。