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ただ一つの一対
第5章 花園の鍵は

菖蒲は口を噛み目をつぶって、快楽に耐えていた。しかし巧みに中心をくすぐる手に、熱い吐息が漏れる。
「――ぁっ!」
綺麗なピンクの尖りをつまめば、耐え切れずに声が出る。抗えず瞳が虚ろになると、菊は意識を引き戻すように声を掛けた。
「あまり大きな声を出すと、人に気付かれますよ?」
すると、菖蒲は両手で口を塞ぐ。だが菊は先程と同じように手を取ると、また押さえてしまった。
「隠してはいけないと言ったでしょう。体だけではありません、声も、心も、全てさらけ出してください」
「でも……それじゃ見つかっちゃう」
「そこは、頑張ってくださいね」
手を解放するどころか、意地悪を言った菊の唇は菖蒲の胸に吸いつく。指で抓られるのとは違う、濡れた感触。一段と跳ねた菖蒲は、かぶりを振った。
「や、駄目っ、舐めちゃ駄目……!」
「どうして駄目なんですか? こんなに喜んでいるのに」
「だって、あたし試合したばっかりで、まだ汗もかいてるし、汚い……」
なんとか菊から逃れようと、菖蒲は身を捩る。だが菊は、菖蒲では考えられない提案で羞恥に対抗してきた。

