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ただ一つの一対
第1章 失恋した男
すると菊は片倉を横抱きにすると、駐車場まで歩き出す。片倉は慌てて降りようとするが、菊がキスで縫い止めれば、途端に固まってしまった。
「んっ……」
自分より若い男が、まるで姫のように自分を抱き上げ求めてくる。そんな優越感も混じり、片倉の頭は冷静さを失う。舌を迎え入れ、首に腕を絡ませて応えていた。
「――今夜回るのは、後二件でしたね? 我慢していい子に出来たら、怖がらせてしまったお詫びをあげましょう」
「……はい」
菊の態度は謝罪から程遠いが、片倉の目はすっかりとろけている。それは先程菊が見ていた女と同じ、色狂いの目。彼女もまた、菊の楔を打ち込まれた女の一人であった。
行き交う車も少ない中、菊は欠伸を噛み殺しながら運転していく。後部座席に、両手を拘束され、膣内にバイブを挿入された片倉の喘ぎ声を聞き流しながら。
「片倉、僕が戻るまでお漏らしせずに耐えたら、一緒に部屋まで戻りますよ。ですが車を汚してしまったら、その場に捨てて、僕一人で帰りますから」
返事はなく、車内にはただ甘い叫びが響く。バックミラーを覗けば、ぱっくりと股を開き、玩具を埋め込まれながら濡れた秘裂を見せつけ腰を振る片倉の姿が映っていた。