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ただ一つの一対
第5章 花園の鍵は

「――っ、ん、く……」
先程と変わらず、菖蒲を際まで追いつめようと蠢く中の指。理性を手放したくなるが、声を出せば菊にも迷惑が掛かる。目の前に火花が散っても、声を漏らす訳にはいかなかった。
足音は段々近付いてきて、隣の男性更衣室の前で止まる。と、ほぼ同時に、ドアの開く音がした。おそらくは見回り、となれば、こちらのドアを開こうとするのは確実だ。
それでも菊は、指を止めない。それどころか感じる部分を苛め、容赦なく快楽へ落とす。
(もう、駄目……っ!!)
口に差し込まれた菊の指を、思わず食いちぎるくらい強く噛む。だが昇る快楽を止める事は、もはや不可能だった。
「っ、――!!」
菖蒲が絶頂を迎え菊の上で跳ねるのと同時に、ドアノブが回る。が、鍵に阻まれ、ドアは開かない。
見回りの足音はそれからすぐ遠ざかり、静けさが戻る。浮かされた体が落ち着くと、菖蒲は菊の方へ向き直り、ひそひそ声で怒鳴りつけた。
「叔父さんのバカ! なんで我慢しろっていうのに、動かしちゃうの!?」
「それは、堪える菖蒲が可愛らしかったので、つい。イク瞬間、とても中が締まって気持ち良さそうでしたよ?」

