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ただ一つの一対
第5章 花園の鍵は

「疲れたなら、今日はのんびり過ごしますか?」
「え? ううん……のんびりは、嫌だよ」
「先程から、あまり表情が思わしくないようですよ? 無理はさせたくありません」
「それは、ちょっと格差を感じてただけで……無理させたくないって言うなら、それはあたしも同じだし」
菖蒲は菊の首に腕を絡ませ、唇を重ねる。まだ慣れない大人のキスは、菊にはきっと物足りない。更衣室でだって、達して満足したのは菖蒲だけだ。膨らんだ下半身を見れば、菊が欲望を菖蒲のために制御しているのは明らか。あまり我慢をさせるのは申し訳なかった。
背中を倒され、菊が上にのしかかってくる。広く柔らかいベッドは、夢心地を加速させた。
ジャージや下着を脱がされ、菊も全てを脱ぎ去り、本能が剥き出しになる。おさらいでもするかのように胸や秘裂を弄られ、一度落ち着いた情欲が燃え上がった。
「ん……くっ」
「今度は、好きなだけ声を出して構いませんよ。このフロアには、この部屋しかありませんから」
胸を唾液混じりに吸われる音や、下から溢れる蜜をかき混ぜる音、声を出さなくても、外まで響くくらいこの場は淫靡である。

