この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ一つの一対
第6章 夢の終わり
 
 だが、それはまともな人間の発言ではない。組への忠義が何より重視される極道の世界において、絶対的存在である組長や若頭への叛意は、むしろまともな職業より嫌われる行為だ。それを自ら堂々と企めとは、並みの心臓では言えないはずである。

「僕があなたに与える自由は、ただ一つ。思想です。あの無能はあなたに何一つ与えなかったようですが、僕はそれだけ認めましょう」

「そんな事を許して、本当にいいのですか? 私は、憎いです。私を置いていった宗一郎様が、私を慰み者にした則宗様が、そしてそれでもなお、私を一文字組に縛ろうとする、あなたも……」

「ならば、復讐すればいい。僕を出し抜き組を崩壊させる頭脳を、あなたは持っているはずです。その力を使い、強く生きなさい」

 美和子は菊のネクタイを掴むと、身を寄せ唇を重ねる。男を跪かせるのに一番手軽で手っ取り早いのは、色仕掛けなのだ。偉そうに志を語っても、股を開けば覗かずにはいられない。数多の男を受け入れてきた美和子は、堕落させる術を山ほど心得ていた。

「僕は色仕掛けじゃ堕ちませんよ。手抜きで自由を得られると思われては困ります」
 
/219ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ