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ただ一つの一対
第6章 夢の終わり
「あなたも、僕の子を孕んでは困るでしょう? 憎い男の子を産むなど、これ以上ない屈辱です。僕はそこまで鬼畜ではありませんから」
菊が身を離そうとしたその時、美和子は足を絡め逃すまいと押さえる。そして部屋の隅にある棚を指差し、菊に切ない目を向けた。
「あの棚の中に、避妊具は入っています。アナルプレイの時に、使う人もいますから……ですから」
「それでしたら大丈夫ですね。では足を解いてもらえますか? このままでは起き上がれません」
美和子は慌てて足を離せば、菊は一度立ち上がり手早く準備をする。そして正常位の体勢で、ゴムに包まれた自身を、まるで処女をいたわるかのようにゆっくりと挿入していった。
「ふ、うんっ……!」
思えば美和子は、ゴムを挟んでの挿入は初めてであった。則宗に初めてを奪われたその日から、中出しを要求され拒む事も出来ずに受け入れていた。誰が父親かも分からない子を孕んだ事も、複数回ある。堕胎するたびに医者には「こんな事を続ければいつかあなた自身が妊娠できない体になる」と厳しく叱られていた。