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ただ一つの一対
第7章 彼女の優しさ
耳から伝わる熱に、菖蒲の下半身が疼く。誘いを断る理由など、どこにもなかった。
そして、なだれ込むように帰ってきたマンションで、二人は狂ったように抱き合う。菊の部屋のベッドは、質がよく広い。だが重なる振動にどこか歪んできたのか、最近はベッドの上で、激しく動くと僅かに軋む音が聞こえるようになっていた。
「あっ、あ……叔父さん、気持ち良いよ……あぁんっ!」
快楽に耽り腰を揺らす菖蒲を見下ろしながら、菊は甘い声を堪能する。だが、僅かに混じるノイズが、菊を邪魔していた。
今は、菊をめいっぱい受け入れて乱れる姿。だがそれがいつ、どこで変わるかは分からない。微かな歪みを忘れようと、菊はさらに繋がりを深める。菖蒲が背を反らし声を上げれば、菊も行為にのめり込む。
菊を引き込もうとする中の感触を、逆らわず委ねる心地良さ。促されるように白濁を吐き出すと、共に達し震える菖蒲の身を掻き抱いた。
「叔父さん……」
菖蒲は菊の背中に手を回し、汗の滲む背を撫でる。そして鳴きすぎてかすれた声で、菊に語り掛けた。
「あたし、叔父さんが好きだから……なんだって大丈夫だよ」