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ただ一つの一対
第7章 彼女の優しさ
 
「あたしは叔父さんがいれば、他になにがあっても幸せだよ。でも叔父さんがあたしといる事でずっと罪を抱えるなら、あたしは離れなきゃいけない。叔父さんにそんな辛い思い、させたくないもん」

「辛いなんて……そんな事思ってません! 僕はあなたと話すたび、新しい世界が広がって楽しかったです。菖蒲がいない人生なんて、もう考えられないんです」

「でも、罪悪感はなくなってないじゃない! 小さくてもどこかで抱えるなら、絶対いつか問題になるよ。今だって、時々傷付いた顔してるのに……あたしは、叔父さんを傷付ける人が許せない。それが、あたし自身でも」

 菖蒲は菊の手を振り払うと、礼儀正しく頭を下げる。

「だから――さよなら。心の底から、なんの罪もなく愛してあげられる人が、きっと見つかるよ。叔父さんは、誰よりも優しいから……」

 菖蒲は菊と目も合わせず、部屋から去っていく。細く、小さな背中を、追いかけて掴む事は難しくない。だが手を伸ばそうとしたその時、己の汚れに気付いてしまうと動けなくなってしまう。菖蒲を汚さずに手元へ戻す方法など、存在していなかった。
 
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