この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ一つの一対
第7章 彼女の優しさ
 
「それで坊ちゃん、打ち合わせとは?」

「ああ、明日のクリスマスについてです。子ども達に配るプレゼントなんですが、僕の派閥からは西川と佐藤が――」

 ここ数日、菊は寝る間も惜しんで仕事に打ち込んでいる。年末年始に向けて山ほど仕事があるのも事実だが、菊がのめり込むのは間違いなく現実逃避だ。下手に口は出さないと決めたものの、左月は一言だけ言わずにはいられなかった。

「坊ちゃん」

「……なんですか、もう雑談の時間は終わりですよ」

「雑談じゃありません。これから行事が続く中、坊ちゃんが倒れでもしたら、組長の思う壺です。どうか、組のためにも体調だけは整えてください」

「分かっています。無能を蔓延らせるような真似はしませんよ」

 そうは言っても、菊に休もうとする様子は見受けられない。結局クリスマスイブの当日まで、菊がまともにベッドで眠る事はなかった。

 そして、当日の夜。現組長である則宗がイベント好きである事もあり、盛大なパーティーが一文字組では開かれていた。毎日殺伐とした組員達も、慰労に感謝し笑顔を見せる。いけ好かない相手ではあるが、菊はその人身掌握術を横目で盗み、シャンパンに口をつけた。
 
/219ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ