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ただ一つの一対
第7章 彼女の優しさ
 
「……はい?」

「だから、ちっとは休めってこった。今日は挨拶も終わってんだろ、左月がいれば進行にゃ困らねえ。しばらく忙しいんだ、今日は帰って寝てろ」

 人生で一度たりとも聞いた事のない、則宗の気遣い。それは驚きを通り越して、心配を呼ぶ。

「どうしたんですか組長、熱でもあるんですか!? 死ぬと言うのなら、僕に組長の座を譲ると言い残してから死んで――」

「ぶっ殺すぞテメェ。たまに目をかけてやりゃ、なんだその言い草は。今倒れられて新年まで動けなくなったら、俺がざまあみろと思っても組が困んだろうが! テメェがどうなろうが知ったこっちゃねぇが、倒れられてもマズいんだよ」

 則宗は拳を握り声を荒げるが、菊は苦々しい顔をして固まっている。あまりに予想外の言葉に菊が反応出来ないままでいると、片倉が菊の額に手を当てた。

「若、熱があるんじゃありませんか? 今日はお言葉に甘えて、休ませていただきましょう。則宗様の言う通り、新年も控えているんですから」

 片倉は則宗へお辞儀すると、菊を引っ張って会場の外まで連れ出す。それを眺めながら、則宗の取り巻きが耳打ちした。
 
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