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ただ一つの一対
第8章 聖夜の狂乱
「そんなの無理だよ。だって、ほら聞いて。あたしの心臓の音」
菖蒲は菊の首に腕を回すと、自身の胸に顔を埋もれさせる。柔らかく包む感触に、菊は下半身に熱が集まってしまう。
「こんなにドキドキするの、叔父さんにだけだよ。他の人を好きになるなんて、一生無理」
「菖蒲……」
「ごめんなさい、身を引くなんて無理だった。あたし、大人になんてなれないよ……!」
すると菊は顔を上げ、菖蒲に口付ける。堰を切ったように激しく奪われる唇に、菖蒲も応える。
「んっ、ふ……んんっ」
いくら絡み合っても、止まらない愛情。たまらず菊の髪をかき乱し、菖蒲はとろけた。
「――菖蒲。あなたはどうして、そんなに僕を夢中にさせられるんですか。ああ……もう、熱がまた上がってしまうじゃないですか」
「ご、ごめんなさい」
「悪いと思うなら、責任を取って鎮めてください。もう駄目です、我慢なんか出来ません」
菊は布団に沈むと、菖蒲を手招きする。熱に浮かされながらも優しい瞳に、菖蒲は菊のパジャマのボタンに手をかけた。
「こんなに熱あるのに、大丈夫なの?」